2018年09月17日

[読書]猪狩 恵美子,楠 凡之,湯浅 恭正,貝塚養護学校の実践を考える会(2018)『仲間とともに育ちあう貝塚養護学校』クリエイツかもがわ



なぜ?



この本を読もうと思ったのは、湯浅先生が執筆していたからです。
湯浅先生の本は、特別支援教育の授業づくりにおいてこれから考えなければならない課題をたくさん提示していただいたので、この本を読んで勉強しようと思ったからです。

なぜ、病弱養護学校の実践記録なのかというところで、つながりがよくわからなかったから逆に読んでみたいと思いました。


どんな本?



本書は、既に閉校した貝塚養護学校の実践記録と特別支援学校における現代的課題を結びつけて論じている本です。

第1部 生きづらさを抱える子どもと貝塚養護学校の教育実践
第2部 病弱・身体虚弱教育と貝塚養護学校の歩み
第3部 貝塚養護学校が問いかけているもの


なぜ、今病弱養護学校なのか?というところが気になりますが、この実践記録を読んでみると、この貝塚養護学校が果たしてきた役割というのは、私が想像していた病弱養護学校とは全く異なるものでした。

貝塚養護では、まだ、発達障害という言葉さえ知られていなかった時期から、心身の不調、勉強嫌いや学習の遅れ、友人関係・集団参加でのつまずき、家庭での養育困難などを抱えた子供たちを受け止めてきた実践が多く蓄積されていました。そのため、特別ニーズ教育の視点から、貝塚養護学校のような寄宿舎がある養護学校は、特別支援教育時代に求められる大切な学校だとして大いに期待が寄せられました。P190



初めに読んだ印象としては、この実践記録って通常学校にも参考になる実践記録であり、子どもを読み解くという意味では自立活動の実践記録とも言えるものではないかと思いました。

湯浅先生は次のように指摘しています。

通常の学校において1人の生きづらさを抱えた子どもの周囲には、何人もの困難さを持つ子供たちがいます。貝塚養護の子どもたちの問題は、通常の学校で生活する多くの子どもの問題につながっているはずです。障害児を含めて自立支援に特別な配慮を要する子どもにとって必要な学校の論理を探る-そこから通常学校を改革するための多くの示唆を得ることができるのだと思います。生活や学びの場は離れていても、すべての子どもたちに開かれ、つながり合うことのできる世界とは何か、その探求が改めて求められています。インクルーシブ教育は、通常(Ordinary)の教育を絶対化するのではなく、共に生きる(Common)の世界を創造することだからです。P224


この貝塚養護学校が蓄積してきた実践は、生活指導の文脈に位置づけられる実践です。特別支援教育が始まる前から、貧困などの現代的課題に向き合ってきたのです。

今回の学習指導要領の改訂で、自立活動に新たな項目が追加されました。「健康の保持(4)障害の特性の理解と生活環境の調整に関すること」です。この自立活動に参考となるような実践が紹介されています。

おわりに



この本の読み方としては、猪狩先生の論考から読むと病弱教育がどのようなもので、どのように発展してきたのか、貝塚養護学校の特徴が分かります。

病弱特別支援学校が人数の減少を理由に閉鎖されていっています。貝塚養護学校の実践を残していかないといけないですし、もっと病弱特別支援学校の実践が注目され、広がっていかなくてはならないと強く感じました。








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posted by pmastyle at 01:00 | Comment(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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