2017年05月23日

[読書]原田大介(2017)『インクルーシブな国語科授業づくり』明治図書



著者は、小学校の教員の経験を持つ研究者である。他にも、インクルーシブ教育や国語科教育に関する書籍を出版している教員である。以前の記事でも紹介している。

[読書][特別支援教育]難波 博孝・原田大介編(2014)『ことばの授業づくりハンドブック―特別支援教育と国語教育をつなぐ』渓水社: pmastyle
http://pmastyle.seesaa.net/article/421134737.html

[読書][特別支援教育]インクルーシブ授業研究会(編)(2015)『インクルーシブ授業をつくるーすべての子どもが豊かに学ぶ授業の方法ー』ミネルヴァ書房: pmastyle
http://pmastyle.seesaa.net/article/420086517.html


本書は、アクティブラーニングの動向を踏まえ、インクルーシブ教育の視点から通常学級の国語科教育を位置づけた本である。

本書の目次は次のようになっている。

まえがき―発達障害の当事者の立場から
第I章 発達障害のある子ども理解と国語科授業
 1 「国語の授業が苦手」な子どもの思いとは
 2 インクルーシブ教育と合理的配慮
 3 発達障害のある子どもの理解とは
 4 障害特性に応じた指導を超えて
 5 自立活動の考えに学ぶ
 6 発達障害と貧困との関連性
 7 物語文「ごんぎつね」を用いた授業の事例
 8 説明文「ヤドカリとイソギンチャク」を用いた授業の事例
第II章 アクティブ・ラーニングをめぐる考え方
 1 アクティブ・ラーニングが生まれた背景と課題
 2 アクティブな状態とは
 3 アクティブな国語科授業にむけて
第III章 インクルーシブな国語科授業をめぐる10のQ&A
 Q1 実際に授業で非言語を意識した授業方法を取り入れてみたいのですが、具体的な指導例を教えてください。
 Q2 国語科で非言語の授業方法を取り入れたいのですが、既存の教科書教材で使えるものは何かありますか?
 Q3 読解指導の際、子どもが話す内容が、教科書の文章内容から離れてしまうことがよくあります。
 Q4 「主題」とかけ離れた子どもの思いや意見に対する評価は、どう考えればよいでしょうか。
 Q5 子どもたちがことばを学ぶ上で、自分の「できないこと」と向き合うことが大切なのはなぜですか。
 Q6 「全員がわかる・できる授業」をつくらなければならない思いが強くあるのですが、どう考えますか?
 Q7 教員が「プライベート」を小出しするメリットとデメリットを教えてください。
 Q8 「子どもの障害特性に応じた授業」とは、どのような授業をめざせばよいのでしょうか。
 Q9 定型発達の子どもを「支援を要する子ども」との学び合いに巻き込むと、授業全体の質は下がるのでは?
 Q10 教員自身に発達障害がある場合、学校現場や授業でカミングアウトしてよいと考えますか?
第IV章 インクルーシブな国語科授業づくりのポイント
 1 めざしたいインクルーシブな国語科授業とは
 2 インクルーシブな国語科授業づくりのポイントと実際
 3 授業をつくる上で注意したいこと
あとがき―「特別な支援」を必要とするすべての子どもたちへ

本書では,インクルーシブ教育,アクティブラーニングなどの用語を分かりやすく解説している。

インクルーシブ教育=特別支援教育ではないことにも言及している。

インクルーシブ教育では,発達障害を含む多様な困難を抱えた子どもたちを対象とした教育であるとその立場を明らかにした上で,次のように述べている。

本書では、「特別な支援を要する児童」の中でも、まずは発達障害のある子どもに焦点を当てることにより、国語教育研究に発達障害の分野をきちんと位置づけることを目標とします。また、発達障害のある子どもたちの生活の文脈と向き合い、そこから生まれるインクルーシブな国語科授業のあり方を考えることにより、合理的配慮の「過重負担を伴わない範囲」を、授業のレベルで広げていきたいと思います。
P27



発達障害の子どもたちへの指導の中では,次のように述べている。

障害のある子どもに学びが生まれ、その学びに感化されたり影響を受けたりしたほかの子どもに学びが生まれる状態を、すでに授業に包摂された定型発達の子どもが再度授業に包摂されることから、私は「再包摂(リ・インクルージョン)」と呼んでます。
P44



発達障害の子どもにばかり注目してしまうが,同じクラスにいる子どもたちへの指導にも留意しなければいけない。「再包摂(リ・インクルージョン)」と用語として定義づけたことが本書において特徴的な点である。



アクティブラーニングにおいては,次のように述べている。

@アクティブとは、子どもの精神活動であること
A見た目の活発さとアクティブ(能動性)はイコールではないこと
Bアクティブであったかどうかを決めるのは、子ども自身であること
P85

その上で言えば、私たち教員は、一つの授業の中で一分でも一秒でも、子どもたちが「楽しい」「うきうきわくわくする」「参加してみたい」と思ってくれるような授業を想像し、実践し、検証する義務があります。子どもたちにフロー体験のような夢中になれる時間が少しでも生まれれば、そのときの子どもたちの精神活動は「アクティブ」な状態にあるからです。
「アクティブな国語科授業」にむけて、私たちは、子どもにとっての楽しさを見つめ、子どもの楽しさから生まれる言葉の学びを考えなければなりません。
P90

@子どもが思わず参加してみたくなるような楽しい学習活動(授業展開)を考えること
A子どもが楽しいと感じる活動から生まれる言葉の学び(指導事項)を考えること
B子どもたちの人間関係を育むような視点を学習活動やことばの学びに導入すること
P93


このアクティブラーニングの中で気になった点は,苫野さんの文献を引用していたことである。


苫野さんは,教育哲学を専門とする研究者である。
先日書いた記事の本の中でも取り上げられている。

[読書]赤木和重(2017)『アメリカの教室に入ってみた』ひとなる書房: pmastyle http://pmastyle.seesaa.net/article/448876231.html


アクティブラーニングについては,自分の中で整理する必要があるが,改めて哲学と特別支援教育の関係性についてももう少し勉強しなくてはいけないと感じた。


まとめ


通常学級の先生に向けられて作られた本であるが,インクルーシブ教育,アクティブラーニングなど特別支援教育の教員としても学ぶことが多かった本である。

国語の授業づくりについても具体例を示しながら解説しているため,授業づくりの参考になる。








ブログランキングに参加しています。お手数ですが1クリックして頂きますようお願い致します。
にほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へ
にほんブログ村
特別支援教育 ブログランキングへ
follow us in feedly
posted by pmastyle at 23:20 | Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月30日

[特別支援教育]170428 特別支援学校 次期学習指導要領パブリックコメント結果が公開されました。



特別支援学校に新要領 総則から読み解く重要ポイント | 教育新聞 電子版
https://www.kyobun.co.jp/commentary/cu20170428/

文科省は,平成29年4月28日に特別支援学校幼稚部教育要領および小学部・中学部学習指導要領を公示しました。

官報
https://kanpou.npb.go.jp/20170428/20170428g00093/20170428g000930022f.html

意見公募の結果についてはこちらのページで確認できます。

学校教育法施行規則の一部を改正する省令案及び特別支援学校幼稚部教育要領案、特別支援学校小学部・中学部学習指導要領案に対する意見公募手続(パブリックコメント)の結果について
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=185000894&Mode=2

「意見公募手続きの結果について」のリンクを参照すると,「学校教育法施行規則の一部を改正する省令案並びに 特別支援学校幼稚部教育要領案,特別支援学校小学部・ 中 学 部 学 習 指 導 要 領 案 に 対 す る 意 見 公 募 手 続 き (パブリックコメント)の結果について」の文書が確認できます。

提出意見数は252件あり,意見公募の主な意見と回答を31個提示しています。

[特別支援教育]特別支援学校の次期学習指導要領パブリックコメント 自立活動の比較: pmastyle http://pmastyle.seesaa.net/article/448107618.html

ブログランキングに参加しています。お手数ですが1クリックして頂きますようお願い致します。
にほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へ
にほんブログ村
特別支援教育 ブログランキングへ
follow us in feedly
posted by pmastyle at 02:12 | Comment(0) | TrackBack(0) | 特別支援教育 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月13日

[特別支援教育]セリアの手帳を出席状況の記録用として使う。



この時期になると、手帳が欲しくなります。ただ、いつも長続きしません。

月間・週間・日間の記録が出来ればよいのか?
手帳に求める機能は何か?

特別支援学校では、月ごとに、放課後デイサービスを何回利用したか。の記録を提出します。

この記録をつけるために、手帳が使えないかなと思いました。

セリアの手帳を見ていたら、月間タイプで、1日の記入が、上下で2マスあるものがありました。

上段が往路、下段が復路として記録できるのではと思いつき、これにしてみようと思いました。

今回は、長く続くことを願って、手帳を使ってみたいです。


ブログランキングに参加しています。お手数ですが1クリックして頂きますようお願い致します。
にほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へ
にほんブログ村
特別支援教育 ブログランキングへ
follow us in feedly
posted by pmastyle at 07:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 特別支援教育 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月12日

[雑記]2017年3月に更新した全カテゴリー記事まとめ



3月は11記事書きました。
特別支援教育が5記事
学校研究が1記事
読書が2記事
研究が2記事
雑記が1記事

<特別支援教育>5記事


[特別支援教育][知的生産]短冊を使った詩の授業における並び替え時の支援: pmastyle http://pmastyle.seesaa.net/article/447661172.html

[特別支援教育]「亜人ちゃんは語りたい」はただの日常系アニメではない。: pmastyle http://pmastyle.seesaa.net/article/447851671.html

[特別支援教育]平成28年度末にやっておくことリスト: pmastyle http://pmastyle.seesaa.net/article/447851895.html

[特別支援教育]特別支援学校の次期学習指導要領パブリックコメント 自立活動の比較: pmastyle http://pmastyle.seesaa.net/article/448107618.html

[特別支援教育]絵本『ママがおばけになっちゃった』の授業時に使用したワークシート(PDF ワークシート) : pmastyle http://pmastyle.seesaa.net/article/448217151.html



<学校研究>1記事


[学校研究]福岡県立柳河特別支援学校(2017)『柳河版特別支援学校におけるICT活用のための研修ガイド』: pmastyle http://pmastyle.seesaa.net/article/447661406.html


<読書>2記事


[読書]又吉直樹(2016)『夜を乗り越える』よしもと新書: pmastyle http://pmastyle.seesaa.net/article/447380278.html

[読書][特別支援教育]山之内幹(2014)『特別支援教育における教育実践の研究ー指導記録の書き方と生かし方』批評社: pmastyle http://pmastyle.seesaa.net/article/448134728.html


<研究>2記事


[研究]2017年2月にダウンロードした特別支援教育関係PDF論文: pmastyle http://pmastyle.seesaa.net/article/447380328.html

[研究]人間発達研究所紀要第29号はPDFで公開されているため,無料で読めます: pmastyle http://pmastyle.seesaa.net/article/447660931.html


<雑記>1記事


[雑記]2017年2月に更新した全カテゴリー記事まとめ: pmastyle http://pmastyle.seesaa.net/article/447851769.html


ブログランキングに参加しています。お手数ですが1クリックして頂きますようお願い致します。
にほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へ
にほんブログ村
特別支援教育 ブログランキングへ
follow us in feedly
posted by pmastyle at 07:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月11日

[特別支援教育]パワーポイントでカラオケみたいに色が変わるようにする方法




細かいところにこだわりだすと大変ですが,実はパワーポイントでカラオケっぽくできる方法があります。

例では,パワーポイント2013を使用します。

1 テキスト入力で歌詞を入力します。1列で1つのテキストボックスが調整しやすいです。

本当の歌の歌詞を使用すると著作権に引っかかってしまうので,シンプルに「あああ」としました。

1 歌詞を入力する。


2 テキストボックスを選択して「アニメーション」の強調にある「フォントの色の選択」をクリックします。

2 アニメーションのフォントの色を選択



3 色の設定をします。赤が分かりやすいと思います。

3 色の設定をする。



4 継続時間の調整します。歌のテンポに合わせるのが難しいところでもあります。


4 時間の調整をする。



こうした作業を繰り返してパワーポイントで擬似カラオケができます。

アニメーションは自動的に切り替わるように設定することもできますが,自分は一つのテキストボックスごとにクリックして色が変わるようにしています。

どうしても若干ズレがでてしまうので,クリックで調整するようにしています。

普通に歌詞を入力して表示するだけではないので,こだわりだすと時間はかかります。

ただ,歌詞のみを表示させるのとは違って,歌っている感じが味わえるので,音楽の授業や生活単元学習の授業などで取り入れてもらえればと思います。

以前のパワーポイントのバージョンでも作成できます。強調のところで「カラーウェーブ」のアニメーションでできました。

この時期だからこそ,新しい教材として作ってみるのはいかがでしょうか?





ブログランキングに参加しています。お手数ですが1クリックして頂きますようお願い致します。
にほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へ
にほんブログ村
特別支援教育 ブログランキングへ
follow us in feedly
posted by pmastyle at 07:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 特別支援教育 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする